JKT48のオタクになってみた -coba menjadi fans JKT48

JKT48とそのファンを研究対象にしたら自分もミイラになったでござる

ジャカルタでヲタ芸再考してみた

2度目のJKT48現場観察を経て、現地での「ヲタ芸」について再考している。

前回の訪問時には、日本のヲタ芸スタイルのトレース感、またその再現度の高さに注目したが、時を経て、というより筆者の耳目が些か冷静になったことによって、よりローカライズされたヲタ芸の様子を見ることができた。
個人的に熱望しているインドネシア語MIXこそないが(恐らくこの先もないだろう)、インドネシア語でのコールは確かに存在していた。
 
中でも1番聞きやすいのは"Siapa?"(誰だ?)コールだろう。
これは日本で言う「俺の」のタイミング、メンバーの名前をコールするタイミングの一拍前に入れる。
インドネシア語で「俺の」に相当する表現があるのか不明だが、基本的に代名詞は後に来るのでメンバーの名前の前に入れることは難しいと考える。
よって「俺の」はインドネシア語でのコールに不向きと考えられるが、そのタイミングに「誰だ!」と入れることによって新しい形に仕上がっていた。
どういう経緯で、いつから、誰が "Siapa" を入れ始めたのかは知る由もないが、タイミングといい、音節といい、「俺の」に影響を受けていることは間違いないだろう。
 
そして上記とは対照的に、日本語と同じ意味のインドネシア語を異なるリズムで絶妙に取り入れているコールもある。
"Aku juga" 即ち「俺もー!(ヲレモー!)」である。
Dorothy Little Happy『デモサヨナラ』でより一般化した感もある同コールがインドネシアでも起こっている。
具体的にはチームTの劇場公演曲"Aku Sangat Suka"(邦題『大好き』)で♪Aku sangat suka(大好きなの)と歌った後に"Aku juga" (俺も)「アークージュガー!」と入れている。
因みにこれは前回も見ているはずなのだが、単純にインドネシア語の能力が低いために聞き取れなかった。
日本で『大好き』に「俺もー!!!」と入れているかは未確認だが、入るとしても譜数が違うのでリズムが違うであろうことが予想できる。
「俺もー!」がインドネシア語で表現されるにあたってうまくアレンジされているということである。
 
他にも「○○ちゃん可愛いよー!」と同様に"~~cantik!"とか、「○○ちゃんどこー?」が"~~ di manaaa?" とか多様な例を見ることができたし、最近国内48系で見られる拍手ケチャが、妙なタイミングではあったりしたが、導入されていたりと興味深い場面が多々あった。
その反面、揃ってMIXしているように見えてよく聞いていると「ジャージャー」しかしてなかったり、日本でもよくあることだが、何となく参加しているという人も少なくない。
 
何処からヲタ芸が「輸入」されているのか、そのルートは様々だろうし、誰が始めるのか、広めるのか、それとも作るのか、思い付くのか……そのバックグラウンドは、アイドル文化が未定着な分だけ複雑に感じられる。
知人からの指摘では、リフトしていた若者達の1人がTeamくれれっ娘!のTシャツを着ていたとか。
そのボロボロだったというTシャツがどういう流れで彼の身を包んだのか。
今後インドネシアに「アイドルオタク」は増えるんだろうか。インドネシアの潮流の中で「アイドル」が歓迎されるとしたらどの様な意味があるのか、今後も向き合っていきたい。